およねが行く
vol.1
谷川千穂
4_輪島の魅力とここでお店を続けていくこと、これからのこと – Rapport du pain(ラポール デュ パン)
2023.06.06.
- およね
- リピーターは本当に多いと思う。
輪島に来て15年ほど経つと思うけど、住んでいて良かったなと思うことはある?
- 美江
- そうやね。
夕日が綺麗やし、せかせかしてないよね。
働いてると時間が経つのは早いけど、でもなんとなく余裕があるというか。
- およね
- それは大阪にいたから感じられることかもね。
ずっとここにいたらこれが普通だけど。
美江ちゃんがいた大阪と、時間軸が違うんだろうね。
- 美江
- そうかもしれんね。
娘にどんなとこ住みたいか聞いたら、都会より田舎って。
都会に住みたいって思わへんのやろなって。
前に修学旅行で関東の方へ行ってたけど、帰って来た第一声が「空気が美味しい、空気が澄んでる」って。
ほかのお母さんに聞いても、それうちの子も言ってたわ〜って(笑)
- およね
- 私も、のと里山空港を降りた途端に感じるよ。
爽やかな空気って(笑)
- およね
- あと、輪島で商売して良かったなと思うことはある?
- 美江
- およねちゃんが後々言ってくれた一言がうれしかったよね。
輪島にイタリアンやフレンチの店が出来たのもうちの店が後押しになったんじゃないじゃないかって。
自分ではそんなこと思ってなかったし。
- およね
- 本当のところは知らないけどね(笑)
イチから商売始めていくって大変なことだし、それを続けていくっていうことも、やっぱりすごい大変だなって思う。
私らは続けているものを引き継いでいるから。
もちろん続けることの大変さはあるけど、それとは別の大変さがあると思う。
前の店から数えると15年経つけど、続ける上での大変さとかある?
- 美江
- 季節やったり、レパートリーも意識して変えていくっていうか、
そういう変化もどんどんしていかんと面白くないよね。
でも、芳朗さんは流行りものが好きじゃないから、そういうものには乗らない。
- およね
- たしかに、写真映えするものとか作らないよね。
- 美江
- そうそう、塩パンも作らないし(笑)作ったら売れると思うけど(笑)
- およね
- あとは店のインスタにも載せているけど、ケーキの需要もあるよね。
- 美江
- SNSの影響ってすごいよね。
こんなケーキありますよって載せたら注文入ってくるし、うれしいよね。
パン屋が作るタルトやから、デコレーションとか派手にしてないし、これで喜んでもらえるんかなと思いながらやってるけど(笑)
- およね
- みんな喜んでいると思うよ!
誕生日ケーキとしてタルトを注文するお客様も、よく見かける気がする。
- 美江
- そうやね。ありがたいね。
- およね
- 毎日パン屋さんで働いていて、たまには別の仕事したいなーとか思うことはない?
- 美江
- それはあるよ。
私が外で働いた方が良いんかなって思うことあるけど、出たところでね。
4人(家族)でチーム組んで一生懸命やるのがいいんじゃないかな。
- およね
- たしかに、鹿島家は家族っていうチームがしっかりしているから、芳朗くんも安心してパン作りに集中できるんだと思う。
- 美江
- お義父さん、お義母さんがこの先高齢で出来なくなっても、
2人でやれる範囲でやっていくやろうね。
- およね
- ものづくりって、“思い”を共有しながらやらないといけないと思うから、
それが家族だとスムーズなんだろうね。
あくまでチーム鹿島で。一子相伝だね(笑)
- 美江
- 小さい店やからね、それで十分(笑)
- およね
- じゃあ、これからどんなパン屋を目指していく?
- 美江
- 今まで通りというか、
来てもらってるお客さんにはこれからも長く、2世代3世代と通ってもらいたいな。
小さい頃食べてた子が、中学生、高校生、大学生になって、たまに輪島に来た時に買いに来たよっていう感じで、記憶の味になれるよう、長くお店続けられたらなって思うし。
醤油とかお味噌なんかまさしくそうやけど、パン屋にも「思い出の味」みたいなのがあってもいいのかなって。
- およね
- そうだよね。懐かしい味っていうか。前これよく食べてた!みたいな。
- 美江
- 輪島にもこんなとこあるんやよって自慢されるような、そんなお店にもなっていけたらね。
- およね
- そのためにも続けていかないとね。
- 美江
- 70歳まで続けようと思ったらあと30年はやれるからね。
頑張らんなんね。
- およね
- 昔ここにパン屋あったけど、どうしたんだろうねってならんように(笑)
- 美江
- そうやね、悲しいことにならんように頑張らないと(笑)
- およね
- 今日は色々なお話、ありがとうございました!
谷川千穂
(愛称:およね)
金沢から輪島に嫁いだ谷川醸造4代目の嫁。広報の仕事がメイン。
鹿島美江
大阪の勤め先で芳朗さん(夫)と出会い輪島へ。家族でパン屋を開業する。ラポール デュ パンでは主に販売を担当。
writer&進行:堂下真紀子 photographer:松田咲香
店舗詳細
Rapport du pain(ラポール デュ パン)
石川県輪島市マリンタウン4-54
☎︎0768-23-4405
[営]9:00~18:00
[定]日曜・月曜