およねが行く
vol.1
谷川千穂
3_一押しのパン、お店のこだわりについて – Rapport du pain(ラポール デュ パン)
2023.06.06.
- およね
- 今日はパンのことも色々聞いていこうと思うんだけど、お店で美江ちゃん一押しのパンは?
- 美江
- そうやね。クロワッサンは食べてほしい。
捏ね方や生地の配合変えたりして、ずっとマイナーチェンジしてる。
- およね
- 理想の形を追求してるんだね。
- 美江
- そうそう。何層で折りたたむのが一番いいか、何回も試したり。
どれも美味しいけど、自分はクロワッサンが一番好きやね。
- およね
- 私は断然バケッドがおすすめ。あとは食パンも好き。
バゲッドは本当に美味しい。
いつも夕方位に買いに行くから、売れて無くなっていると悲しい。
あとタマゴサンドも好き。週に一回しか出ない幻のサンドイッチ(笑)
卵とマヨネーズの割合が絶妙。
マヨネーズがちょっと多めですごく美味しい。
- 美江
- タマゴサンドはお義母さんが作ってるんやけど、確かに、マヨネーズ多めかもしれんね(笑)
ホットサンドにして食べても美味しいよ。
ーーーーパンを製造する上で、お店のこだわりはありますか?
- 美江
- 一番のこだわりは、ショートニング、マーガリンを全く使ってないこと。
子どもも大人も安心して食べてほしいから、バターだけでやってる。
- およね
- そのぶん材料費はかかるよね?
- 美江
- そうそう。理解してくれるお客さんもいれば、高いねって思うお客さんもいるけど、使うものは厳選していきたいし、身体に良くないものはなるべく使わないでおこうっていうのがこだわりで。
食パンとかバゲッドには卵も乳製品も一切使ってない。
あと、小麦は国内と国外、合わせて12種類位を使い分けしていて、パンによって配合を変えたり。材料にはこだわりたい。
どこにでもあるようなパンじゃ面白くないから、ここでしか食べられないパンで、ちょっとした差別化ができたら。
- およね
- たしか今のラポール デュ パンをやるときにそういう方向性でやりましょうってなったんだよね。
オープンして5年経つけど、最初の頃はどうだった?
- 美江
- 2年目、3年目までは厳しかったよ。
この1、2年で輪島のパン屋として認識してもらってきたというか。
去年なんかは、開店して一番売上が良かったんじゃないかなと思う。
- およね
- それはすごい!それまでハード系のパンって輪島では珍しかったし、浸透するまで時間が掛かったよね。
- 美江
- そうやね。芳朗さんがめげずに作り続けた(笑)
そういうパンが食べたい人は輪島にもいるし、いつも市外に買いに行ってたのにここで買えてうれしいとか言われたり。
- およね
- それはうれしいね。
私はお客さんが来た時に自慢できるお店があるのがうれしい。
- 美江
- 田舎にいながらうちのパンで非日常を味わってい欲しいというコンセプトが最初にあった。輪島にいて輪島じゃない。そんな感覚になれるパン屋。
紙袋からバゲッド取り出す、みたいな(笑)
- およね
- いい意味で輪島っぽくないところをあえて挑戦してきたよね。
輪島のパン屋にはほかに先駆者がいるから、差別化を図りたいっていう気持ちが芳朗くんにもあったんだと思う。
- 美江
- 都会のパンもたくさん見てきたしね。
輪島にもこんなパン屋あるんやで!って感じでいけたらいいよね。
- およね
- 対面販売のスタイルも当時は珍しかったよね。
- 美江
- 元々京都で好きなお店があって、そこが対面販売の店で。
内装も黒で統一されてて、こういうのが理想やなって話をして。
- およね
- 2人でこうしようって決めたの?
- 美江
- 私はどちらかというと素直についていくタイプ(笑)
芳朗さんがしたいことに、良いんじゃない?って。
- およね
- でもその一押しなんだと思うよ。
背中ポンポンもそうだけど(笑)
美江ちゃんの最後の一押しがあるから、
芳朗くんがやろうかなってなるんじゃないかな。
- 美江
- 行ってこい!私は知らんけど、みたいな(笑)
- およね
- (笑)
最初、対面でやった時の反応はどうだった?
- 美江
- ちょっと珍しいスタイルやったよね。
でも対面にしたおかげでお客さんとの会話も自然と増えたよ。
コロナになってからは本当にこのスタイルにして良かったなと思う。
- およね
- そうだね。
最近は、対面スタイルのパン屋さんをよく見かける気がする。
- およね
- 今思い返して、これはうれしかったなっていうエピソードとかある?
- 美江
- いっぱいあるよ。お客さんの些細な一言とかね。
離乳食の初めに食べさせるのはここのパンって決めてたとか、
子どものクロワッサンデビューはここのを食べさせたいとか。
孫が久しぶりに輪島に帰って来るっていうお客さんは、
ここのパン好きやからって買って行ってくれたり。
みんなうれしい事言ってくれはるね。
- およね
- パンが何かのきっかけ作りになってくれればいいよね。
- 美江
- 一回限りじゃなくて、来続けてくれる人がいるっていうのがうれしいね。
そこにまた新たにお客さんを増やしていくのが目標やね。
谷川千穂
(愛称:およね)
金沢から輪島に嫁いだ谷川醸造4代目の嫁。広報の仕事がメイン。
鹿島美江
大阪の勤め先で芳朗さん(夫)と出会い輪島へ。家族でパン屋を開業する。ラポール デュ パンでは主に販売を担当。
writer&進行:堂下真紀子 photographer:松田咲香
店舗詳細
Rapport du pain(ラポール デュ パン)
石川県輪島市マリンタウン4-54
☎︎0768-23-4405
[営]9:00~18:00
[定]日曜・月曜